本日も閲覧ありがとうございます。
読者みなさまはテレビについてどういったお考えをお持ちでしょうか。
わたしは事あるごとに「テレビは洗脳装置だ」と言っているので、非常に懐疑派です。
むしろ嫌いの域にいるかもしれません。
とはいえ、好きな番組はあります。
アメトーーク、モヤモヤさまぁ〜ず、にけつ、100分de名著、美の壺などは毎週録画しています。
そのうちリアルタイムで見ているのは100分de名著くらいで、他の番組は録画して見ています。
今月の100分de名著は面白いですよ。
ル・ボンという著者の『群集心理』を取り扱っています。
当ブログを好んでお読み頂いている方には大変興味深い内容なのではないでしょうか。
CMは「単純接触効果狙い」が見え見えでしゃらくせえ
なぜわざわざ録画をしているのかというと、CMがしゃらくさいからです。
単純接触効果を使って刷り込みをしてくる手法の、意地汚さや姑息さ(ドラマに主演の役者をCMに起用したり、スポンサーの商品をラベルが見える様に陳列したり)に氣付いた数年前から、段々と距離を起き録画をするようになりました。
それ以来特定の番組以外は見なくなりました。
目に入ったとしても、姑息さやからくりが目についてしまってHappyな状態でいれない。
そんな毛嫌い期間を過ごし、この前何だったかの機会でひっっっさしぶりに民放のバラエティ番組をリアルタイムで見た時のことです。とあることを思いました。
一本のCMを作るためにもあらゆるクリエイターが携わっており、その各々の知識の粋が集まっている。
どういった音樂を使うか、商品を最も効果的に見せるためにはどういった演出がいいのか、相乗効果が多く発生させるには誰(役者)を起用すればいいのか、演者にどんな色味の服を着せるか、どのような配色をしたら消費者の記憶に残って購買に繋がるか。
などを考えてこねくり回した最良のものが、テレビCMとして放映される。
いわば、各クリエイターチームの作品です。
その「作品」を無料で見ることができるというのは、美術館で絵画を見るのと大差ないと言っても差し支えないのではないか。
そういった愉しみ方に思い至ると、テレビCMというものも面白いなと感じました。
でも単純接触効果でしゃらくせえ。
CM制作は大喜利
また別の時に民放のバラエティ番組をリアルタイムで見ました。
その番組で流れていたのが『au PAY』のCM。
auのCMはシリーズものが多く、そのCMは中高生くらいの學生が主人公となっています。
そして、そのau PAYのCMは學生という設定を生かして『テストの答案をチェックする』という内容のものでした。
「時間も残り少ないから答案を見返しておくように」と監督官の教師が促し、主人公が答案を見返すと、問いの順番通りに『au PAY』となっている。
一瞬「アホらし」と思いそうになったのですが、思いました。
これは大喜利だ。
『學生という環境で起きること・サービスの内容』などがお題になっている大喜利。
それに対して回答されたものが上記したCMのストーリーや演出。
そして、義務教育という機関が敷かれた日本においては「學生だった時代」が皆に等しくあり、「テストを受けた」という記憶もあります。
それ故に、ほとんどの人間に『共感』という心理効果が働く。
共感が生じたら、記憶に残りやすくもなりますし、記憶に残れば購買率も自然と上がる。
素晴らしいCMですね。策士です。当然かもしれないけど。
『アホらしく見える』 CMほど、心理的効果が大きいのではないか、そう思ったりもします。
「auなどの携帯電話会社だけじゃなく、他業界の企業でもシリーズもののCM多いよな」と思ったのですが、それってシリーズものにすることによって『続きを知りたくなる』という人間の心理を利用したものなんでしょうかね。
CMはいかに共感を得るか合戦 さるかに合戦
同じ番組内で流れていた別のCMも大変興味深いものでした。
商品は『クイックルワイパー』
画面左手側にいるハライチ澤部さん(ゲスト)が、右手側にいる指原莉乃さん(ホスト)に悩みを話します。
↓↓『テレビにおける立ち位置』についてはこちらにて解説しております↓↓
悩みというのは『子どもの食べこぼしの掃除が大変』というものでした。
油分が多いものをお子さんが好むからか、その油と相まって掃除が大変という理由でしょうか。
その「掃除への悩み」をホストである指原さんが商品を提示し解決します。
この作品で印象的だったのは『共感性』です。
澤部さんは2014年に第一子、2016年に第二子、2019年に第三子が誕生されたそうで、その子達の年齢を考えたらそりゃあ手が掛かる年頃なのだろうと想像に難くありません。
わたしには子どもがいないので憶測ですし、その大変さはわたしの想像を超えるのでしょう。
少子化だと騒がれて久しい昨今ですが、そうは言っても育児に追われている方はいます。
今現在『子どもの食べこぼしの掃除が大変』と思っている人からすれば、澤部さんの悩みを見た時に、強い意識の共有が発生し「そうそう!」と共感を示されるのではないでしょうか。
共感が強ければ、それだけその商品を覺えているし購買も増える。
あと、この作品は特にわかりやすい。
役者が着ている服も「黄色・黄緑・少し濃いめのピンク」と、非常に目に付きやすくポップな色味になっている。
しかも、作品を撮っているスタジオ自体は「白と、木のナチュラルな茶色」で統一されており、そのスタジオ内で目立つ服を着た演者が動くことで、目を引き、印象に残りやすい。
また、スタジオは一見すると非常に淡い色調に作られており、言いようによっては「生活感がない」と形容できる。その後に「ザ・生活感」とでも言えそうな映像が差し込まれる。
この生活感に既視感を感じる方や、同じ生活感の空間を過ごしている方も多いでしょう。これこそ共感です。
その「生活感のコントラスト」や、「画面の明るさ(正確には光の当たり具合)」の差異で、人間の心理を非常に上手く誘導している。
見れば見るほどに恐ろしくよくできた作品です。
そしてCMを作るにおいての企画会議(大喜利)も面白そう。
クイックルワイパーのメインキャラクターは指原莉乃さんで、ゲストに色々な芸人さんを迎える形になっています。そのゲスト役は誰にするか。
そして新商品の売りとして、どの層をターゲットにしているか。どの層に売りたいか。
「通常のクイックルワイパーより強力で、油汚れにも効果的ですよ」という売りを生かす為に、食べこぼしの掃除に悩んでいる人(まだ若い子どもを育てている人)であるハライチの澤部さんをCMに起用する。
澤部さんは独身でもないし、もう独り立ちした子を持つ親ではない。
「今現在育児に奔走している世代」であるので、『生の声』として発信できるし、生の声だから今現在悩んでいる人にも非常に効果的である。
とても上手くできたCMだし、大喜利も面白そう。
わたしとしては「CMみたいにモップにする手間を考えたら素手で拭いた方が早くないか?」と思うのですが、多くの家事に追われる主婦主夫の皆さまとしては、しゃがむことさえも疲れるのかもしれないですよね。
あと、子どもが庇護下に居る家庭ではなく、すでに一人立ちして久しい家庭の方もいて、その方々への配慮としてモップを用意したのかもしれないな。
CMに出るか、自由を取るか
しかしCMに出ているということはそれだけ自由が制限されるということでもある。
新垣結衣さんや綾瀬はるかさんなどは、とても多くのテレビCMに起用されています。
それだけ多くのCMに出ているということは、本当は出演CMのライバル商品が好きだとしても、それを公に買うことが許されません。
綾瀬はるかさんはコカコーラのCMに長い間ご出演されていますが、仮にペプシコーラが好きだったとしても、人目に付く場では買えないでしょう。
数多くのCMを経験した同業者なら理解してくれるでしょうが、一般人と称される人の中にそれを許してくれる人は多くないのではないでしょうか。
ましてやSNSですぐ拡散できる時代ですから、広まってあわや炎上騒動にでもなれば面倒です。
それとも、大衆というのはわたしが思っているよりも理知的で「そりゃあビジネスとプライベートは違うよね」と考えることができるものなのだろうか?
ちなみにビールのCMに俳優さんがよく起用されているのは「演技ができる」から、だと踏んでおります。
想像と思考をやめなければ、今日見ている世界の見方が明日には変わっているかも。
さて、現在「何日連続でブログを投稿できるのか」に地味に挑戦しているのですが、何日続くことができるのでしょうか?
現在、連続17日目です( ¨̮ )
そんなにネタ続くものなのかしら?と思っていたけど、案外尽きないものね。
ありがとうございました( ¨̮ )