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八十八ヶ所巡礼さんのアルバム『0088』を入手しました。
ですので、無粋な無粋でもっぱらでる〜じょんな歌詞解釈を、わかる範囲でやっていきます♨︎
\(´-`)/
0088
『苦苦★念仏』をアルバムトップに持ってきているだけあって、フレーズが延々と繰り返される念仏的な構成をされた曲が集まったアルバムだと感じました。
そしてこのアルバムの次に『国民的攻撃的音楽』が発表されるのですが、その経緯もこのアルバムに描かれていたと感じます。
苦苦★念仏
正直に言います!
この曲を聴くためにアルバムを書いました!
『念仏』とタイトルに冠されているだけあって、聴き続けたら最ッッッッ高なtrip体験ができるのではないかと思いまして。えぇ。
とはいえ、本当に格好いい。
ちなみに、こちらの記事タイトルはこの曲のサビから引用致しました。
歌メロと発声・ベースラインがとても分離が良く、小口切りにされたネギみたいな音になっていて、大河のように続くギターのプレイと、それらを受け止めるドラムの音色という器が、渾然一体になってとっても美味しい讃岐うどんを作り上げているような樂曲です。
歌が小切れ良く聴こえるのは、細かな韻が全体に散りばめられているからでしょうね。
二文字韻や、〈ク〉が使われた言葉を積極的に使っています。
このクは破裂音のカ行に含まれているので、その子音が使われている語句を多用することで歯切れの良いスタッカートが強調されているのでしょう。
おそらくベースにはほとんどリヴァーブがかかっておらず、スタッカート的な意識を持って発音をしているのに対して、ギターはスタッカートは使わず手元の具合でコントロールしているのみなので、その対比が際立って聴こえるのでしょう。
その二つが絶対的安定のリズムという器に盛られているから、聴き手は極彩色な念仏に心を委ね興じることができる。
音樂の粋に酔っ払い、愉しめる。ってわけです。
獲らぬ狸に化かされ尽くし
─────
世は完全無常
非情に変幻自在
不浄が健全でしょ?
世は完全無常
ヒジョ〜に変幻自在
─────
やぁ!世のオカルトな諸君!!グル苦しぃ世を苦しみましょ♡
やぁ!世のオカルトな諸君!!グル苦しぃ世を愉しみましょ♡
獲らぬ狸に化かされ尽くし
実体の無いものに翻弄されて、翻弄されきっちゃって。
その実態すら見えていないから化かされちゃう♡
世は完全無常
空。有るは無い。
常というものは無くて、常に万物が流転しているだけ。
有るは無く、常は無く、常に流転しているという完全が有るのみ。
非情に変幻自在
ヒトの情一つで万物が変形する世。YO! 変幻自在なこの世浮世粘土ism.
不浄が健全でしょ?
地球上で生きる以上は不浄も必要になる。不浄と共存して健全でしょ?
という意味と、穢い生き方を推奨される現代に対しての皮肉かなとも思いました。
世は完全無常
ほら、考え方次第でどうとでも受け取ることができるでしょ?
今まであなたがコレクションした常識という偏見をこねくってみな。
this is 粘土ism.
ヒジョ〜に変幻自在
粘土ismでこねくって別な視点から視てみれば、非情も変幻自在で、ヒジョ〜に万物変幻自在でしょ〜?
やぁ!世のオカルトな諸君!!グル苦しぃ世を苦しみましょ♡
たぶん『オカルト』って言葉のせいでUFOや都市伝説的な意味合いと受け取っている方が多いのではないかと思うのですが(解釈は自由です。心 is Freedom)、この「オカルトな諸君」という意味は、浮世にいる我らのことではないかと思います。
「"実体がある"と思い込んでるだけじゃん無常な世」で生きる我ら人類は、実は実体のないあぶくかもしれない。
だって「情ひとつ」で感じ方が変幻自在なヒジョ〜な完全無常ですよ?
んだもんで『苦しぃ世』を「苦しぃよ(涙)」と思って生きれば、苦しいに決まっている。
やぁ!世のオカルトな諸君!!グル苦しぃ世を愉しみましょ♡
そんな生を生きているオカルトな諸君!
そんな世界で生きているムジョ〜をモノにして、いざ、愉しみましょ♡
この無常の波さえも乗りこなしてサーフィンしているからこの曲はとても素敵で好きなんですよね。
だからこそ『樂』じゃなくて『愉』のほうをしようしているのだと思います。
「樂しむ」は受動的な行為で「愉しむ」は自己から生まれた能動的な行為ですからね。
喜怒哀楽♡
この「苦しぃ世を愉しみましょ♡」は『怪感旅行』の曲最後にある「最高!」と同じ意味だと思います。
己の各種煩悩さえ娯楽にしちゃいましょ♡ ってなね。
茫漠冥途草
不穏。
曲の始まりから終わるまでかかっているFuzzyなベースの歪みが曲の効果をより効果的にしていると思います。
それに対して、ギターは歪みを抑えた煌びやかな音になっていて「カオスが行き過ぎない」ようにうまく纏まっていると感じました。
またクリーンよりのクランチでナチュラルハーモニクスを鳴らしていることも、煌びやかを強めているのかなと思いました。
案ずるな 幽玄な亡者よ
そこに金の粉 まぶしてあげよう
無様な人の醜怪な虚妄の
虚ろで無為な「世迷」を喰わされ
中身は幻想だった
形見の望見だった
中身は幻想だった
熱海の幻想だった
案ずるな 幽玄な亡者よ
心配するなよ、今は実利に取り憑かれているが本来は奥ゆかしく優雅なあなた。
そこに金の粉 まぶしてあげよう
そんなに実利がないと落ち着かないのなら、金の粉ふりかけてあげる。
紙に印刷すりゃいくらでも増やせる詐欺まがいな思い込みじゃなくて、浮世で唯一価値の物質だからね。パラパラパラ
無様な人の醜怪な虚妄の
虚ろで無為な「世迷」を喰わされ
粋でなく醜い人間が作り出した嘘八百。
中身のない『空っぽ』を「この世の真理」だと信じさせられ。
中身は幻想だった
形見の望見だった
中身は幻想だった
熱海の幻想だった
これって、安部公房さんが話していた「手段」の中を生きていた人のお話じゃないか?と思いました。
『熱海』に関してはaaiの韻を踏みたいから、熱海にしたんだろうとは思います。
が、こじつけるなら、『新婚旅行が流行った時に、熱海が定番の旅行先だった。その新婚旅行と"成田離婚"との虚構・幻想』ってことかな?と思いますが、これはこじつけです。
でる〜〜〜じょん。
漆・黒・の・と・き・め・き
5/4拍子がヒトの心にある迷宮を演出しているように思えてとても良い。
『正氣にならない』ために、単純な4/4拍子でなく5/4拍子でグルーヴしているのかとも思うと面白い。
『5/4拍子で目を回し続けることで正氣になることへ抗っている』と考えるといとおかし。
正気になるな
正体は不明なまんまがCOOL
─────
漆黒のときめき 腐敗したままの正義
漆黒のときめき 背徳のど・き・ど・き
正気になるな
正氣になったら世のあまりの阿呆らしさに幻滅しちゃうから?
阿呆らしさの末の無情さは知らない方がある程度樂に生きていける?
正体は不明なまんまがCOOL
なんでも透明化して明示しようとする時勢への警鐘?皮肉?
それとも、白か黒かに染まって全てを透明化しようとすることへの自制?
全てを白日の下にするのではなく、「グレー」や「あやふや」を受け入れて清濁混じった河だ漂っている方がCOOLだぜ、ってことかな?
漆黒のときめき 腐敗したままの正義
漆黒のときめき 背徳のど・き・ど・き
『漆黒のときめき』ってのは『具現化中』の「闇にちょっとうっとり」の延長上っぽいな、と感じました。
『腐敗したままの正義』は「正義とされていることは実は腐敗したものである」という意味と、「正義とされていることは本当は腐敗しているんだけど、それに氣付けないから腐敗したまま」って意味なのかな?
そんで、『背徳(やっちゃいけないと言われていること)』をするドキドキに病みつきになって、その背徳が正義になり、腐敗したままの正義。腐敗から生まれた正義。
ってこと?わからん。
惡闇霧島
5/4拍子の曲の後なので、4/4拍子の曲がすごく聴きやすい。
『酔余』って5/4拍子でノることなの?とすら思う。
しかしばっちり3/4拍子や7/8拍子も出てくる。
そして念仏ギターソロソング。
在るままにこれが酔余の境地?理解らないけどね!
─────
終わりたいことは終わりないことだ
理解りたいことは飾り無いことだ
─────
変わりないことは偽りないものか?
理解りたいことは終わりないことだ
在るままにこれが酔余の境地?理解らないけどね!
「在るまま=今現在の自分」これが酒使って考えた結果の答えなんだけど、そうなの?
浮世生きてる奴が理解できるわけないけどね!
終わりたいことは終わりないことだ
『終わりたい』と思い考える煩悩は、沸き続ける無限だ。
終わりたいと思うと言うことは、終わりたくないということだ。
理解りたいことは飾り無いことだ
『物理や目に見えること』に惑わされることのない心を理解したいものだ。という意味合いか?
つまり『煩悩にゆすられない心を持ちたい』ということ??
◎百鬼園◎
まぁ不穏。
でもこの不穏さと錆びたナイフみたいな感覺が、樂曲の世界観を非常に強固なものに押し上げていると思います。
歌にうっすらディストーションがかかっているのも上手く効果していますね。
歌より演奏の方が音が大きいというミックスも、感情と理性の狭間で苦心したり冷静になったりどっちかが暴れたりしていたりしてる状況を想起できて良いです。
共鳴無く黄泉が迫り来る 呑めぬ濁りを煽る
─────
虚無なら神頼み 用も無し已む無し意味無し
共鳴無く黄泉が迫り来る 呑めぬ濁りを煽る
大衆のこと?
互いのことを知ろうともせずに、自分の見ている単一性の世界を押し付けてこようとすることについてなのか?
その世界(亡者の黄泉)は呑めぬが(相容れないけど)、馴染むために濁りを飲む。
また、ダブルミーニングで『黄泉の民が"呑めぬ濁り"を呑めと煽り立ててくる』という意味合いにも取ることができる。巧い。
このあたりの意識が『狂感できない』へ繋がっていくのかな、と感じました。
虚無なら神頼み 用も無し已む無し意味無し
虚無感に襲われている人は、自身で動くことを放棄して神頼みに縋る。
仕方ないのかもしれないけど、その行為には何も意味がない。
という意味だと感じました。
また、この曲に満ち満ちた"怒り"が次の発表作『攻撃的国民的音楽』へと繋がって発露されたのかなと感じました。
巡礼地獄
マイナー進行なんだけど、どこかメジャーな匂いも感じる曲構成が、「地獄を巡礼していること」のある種の諦観的な空氣感を醸しているように感じます。
不穏なんだけど、どこか「次の地獄はどんなもんや」と楽しむ余裕さえ出てきた巡礼者の心情みたいなものさえ感じる。
それこそ、「氣持ち次第」という感じの表現?
ベースのスラップで鳴る『ブチャッ』とした音作りも良いですよね。
決して歪みを深くしているわけではないんですが、スラップをした時に起こる重音的な鳴りが、あたかもローが強い歪みをかました音を鳴らしているように聴こえる。
愚かな わたしを許して
愚かな ぼくを問い詰めて
愚かな あたいを壊して
愚かな 俺を懲らしめて
焦熱地獄で焼き尽くして
叫喚地獄で釜茹でにして
衆合地獄で責め続けて
無限地獄で永遠に懺悔する
愚かな わたしを許して
愚かな ぼくを問い詰めて
愚かな あたいを壊して
愚かな 俺を懲らしめて
ここに様々な一人称が登場するので、複数人だとも思うのですが、一つの魂の輪廻とも考えられるなと思いました。
浮世で作った業の許しを請う個人の魂。
焦熱地獄で焼き尽くして
叫喚地獄で釜茹でにして
衆合地獄で責め続けて
無限地獄で永遠に懺悔する
個人の魂だと仮定すれば、この様々な地獄巡りも輪廻の一環に思えます。
「叫喚地獄」も「共感地獄」と取ることもできます。もしそうだとしたら『◎百鬼園◎』の後にこの曲が置かれた意味も納得できます。
『無限地獄で永遠に懺悔する』も、各地獄が永遠にループしているようにも思えるし、他の地獄をツアーで輪廻して、永遠な無限地獄で懺悔する業。みたいな意味に思いました。
無限なカルマ解消地獄Tourへゴー。
つまり、この曲は果てしない輪廻のことも言っているし現世浮世のことも歌っているのかな?
愚痴 x 愚痴 x 悪魔
ライブで映えそうな曲ですね。
八十八ヶ所巡礼というバンドの旨味と、各メンバーの相乗効果が絶妙なハーモニーを演出している。
またベースラインの効果か、どこかトロッコに乗って運ばれてる氣持ちになりました。
あと『ユーレイ・ドライヴ』を思い出しました。なぜか。
ずっと繰り返されるベースフレーズの休符部分とその後の一音とが、ドラムのスネアとユニゾンしているからでしょうか?
この曲のギターソロって、『幻魔大祭』のDVDに収録されてた「on 早弾きマシーン! Katzuya Shimizu!」の時に弾いてたフレーズなんですね。
否応なしに飛来する 向精神的な苦悩行動を反復し
否応なしに飛来する 向精神的な苦悩行動を反省し
否応なしに飛来する 向精神的な苦悩行動を反芻し
否応なしに飛来する 向精神的な苦悩行動に反逆せよ
これも『呑めぬ濁り』の言い換えじゃない?
"世間では良いとされている"向精神的行動は、ある個人からすれば苦悩行動でしかない。
しかしそれを「良いもの」と思い込み、自分以外の他者にも適応されると思っている人間は、否応なしに押し付ける。
その苦悩行動をやったり、反省したり、繰り返したり、NOの意思を表明したり。
宇宙の末端☆彡
曲始まりのベースワウでニヤッとした。最高。
この曲はすごく『個人競技の集合』って感じがしますね。
ドラムはグルーヴが縦なエイトビイト基調なんだけど、ベースは16分で細かくノリを出してるから、不思議なビート感ととっておきなグルーヴになっているんだな。
最初に聴いた時は「とっつきにくい〜〜…」と思ったのですが、リピートするとこのビートとグルーヴがめちゃくちゃに氣持ちが良くて、めちゃ踊れる。踊り念仏。
たぶんこの踊り念仏へ誘ってくれる要因は、これまた念仏みたいに繰り返されるリズム隊のグルーヴとビートキープ力の妙Σなのでしょう。
本当に聴き念仏踊り念仏になれるくらい氣持ちの良い曲。
真っ暗闇の中、爆音で聴いて踊り狂い念仏したい曲。
真っ暗+ミラーボールの光だけの空間で踊り狂えば、正に極樂至極。
♡♨︎☆♂♬♪☆◎〆
それも難攻不落の気分次第だしねって
─────
宇宙は貴方みたいに
気まぐれだったみたい
─────
宇宙の末端☆彡
観たいね☆
それも難攻不落の気分次第だしねって
おそらくだけど、この曲は一曲目と裏表一対になってる。
『苦苦★念仏』は浮世を歌っているのに対し、この曲は宇宙のことを歌っている。
不快さもコントロールの難攻不落な氣分次第だしね。
氣分次第でグル苦しぃ世も愉しめますのでね。
宇宙は貴方みたいに
気まぐれだったみたい
確証はないけど(歌詞考察なんて確証ないものだけど)、『宇宙は氣まぐれだった』ってのは氣分に左右されてる貴方と同じ、つまり貴方は宇宙だよ。ってことじゃない?
宇宙の末端☆彡
観たいね☆
宇宙は常に広がっていると言われています。
宇宙の末端を観るためには、自分が宇宙になっちまったら手っ取り早い。
ってことじゃない?と思いました。でる〜じょん☆彡
あと惑星旅行の際に降り立った星の英名を練り込んでいるのも面白いですね。
最後に
八十八ヶ所巡礼さんのアルバムは初聴時点では「なんだかな」と思うのですが、でもまた聴きたくなって、二度目に聴いたら最高にハマって何回もリピートしてしまうんだよな。
MAJIで麻薬みたい。聴く麻藥。ぶっ飛べる合法的飛ビ方。
音樂さえあったら本当に藥物とかいらねえわ。MAJI。
「二回聴いたらハマって抜けられない」って『どうとんぼり神座の呼び込み文句』みたいだな。
ありがとうございました( ¨̮ )