本日もご訪問ありがとうございます。
映画『JOKER』の続編となる『JOKER : Folie à Deux』が、いよいよ明日、公開となります。
待ち望みました。
今回はそんな続編の公開に向けて、第一作目を見返し考察をします。
ちなみに劇場予約が始まった瞬間に席を取りました( ´・◡・`)
もう二十回は観ましたねー。
過去に幾度か言及しているので、そういった部分は省いたり省かなかったりしますね。
11:11
今回はインターネットにある考察も書きます。
アーサーくんと時計が映る時は基本的に11:11を指しています。
これはなんなのでしょう。
アーサーくんがカウンセリングを受ける時、精神病等で頭を打ち付けている時、タイムカードを殴って落とす時。
そのほかにもあるでしょう。
この『JOKER』という作品は、主人公であるアーサーくんの妄想が入り混じっているといいます。
インターネットでは「この物語は全て精神病棟に入っている時の妄想で、11:11に行われているものだ」という意見もあったりします。
しかし、マレー・フランリンショーの時計は22:40を指しています。
基本洋画は字幕で觀るのですが、今吹き替え版で觀ています。
そうすると日本語話者であるわたしは字幕に目が捉われず、映像の細部まで意識が向かうのが良いですね。
HAHAの樂屋にて
「ホイトさんが呼んでいるぜアーサー」と同僚のゲイリーさんより言伝を受け、事務所へ向かうアーサーくん。
クソ同僚のランドルがいつもの憎まれ口で野卑な嗤いを誘い、アーサーくんも愛想笑いを「わひゃひゃ!」とします。
事務所への廊下はコ字のになっているのですが、一つ目の角を曲がるとアーサーくんは、すっと笑うのをやめます。
ここでアーサーくんの愛想笑いであることがわかるのですが、この角を曲がった時に廊下奥の物置に巨大なピエロの顔が置かれているんですね。
今回初めて氣付きました。
単純な演出だと思いますが、なにか意図が込められていると思わずにはいられません。
同僚への表情と、上司への表情は当然違うものですが、その表現ということなのでしょうか。
銃を撃つ
アーサーくんが母親をお風呂に入れた後、リビング?で銃を撃つ場面があります。
ここの構図が、のちにアーサーくんが起こすマレー銃殺の時と同じなんですよね。
この場面で何が驚くって、アーサーくんが発砲する際に発する台詞です。
字幕でも吹き替えでも「悪いのは、こいつだ」となっているのですが、字幕の音声では「Him」になっているのですよね。
インターネットで軽く調べたところ、『こいつ』は英語で『this guy』になるそうです。
ですが、「Him」が用いられています。
わたしには學がないですが、「Him」が男性に対して用いる言葉であることくらいは知っています。
意図した上で台詞を「Him」にしているのではないか、と思うのですが、どうなのでしょうか。
電車での発砲
小児病棟での一件が原因になり、アーサーくんはピエロの会社(パーティークラウンという賑やかし者を派遣する会社)をクビになります。
ホイト氏よりクビを宣告された失望のまま電車に乗るアーサーくん。
その車内にて、アーサーくんは証券マンのストレス発散でリンチを受けてしまいます(たまったもんじゃねえ)。
我慢が限界に達したアーサーくんは持っていた銃で、その証券マンを殺害します。
ここで車内の電灯がチカチカと明滅するのですが、その明滅が『アーサーくんの中にあった "JOKER" の萌芽を演出している』のではないか、と以前の記事にて書きました。
これはのちに対比?があって、アーサーくんがJOKERとなってマレー・フランクリンショーのスタジオに向かう際に警官二人に追われますが、その警官が発砲する時にも車内の電灯がチカチカとします。
発砲時の明かりを際立たせるための演出だと思いますが、電車内の発砲一回目がアーサーくんの中にあったJOKERが萌芽することだとすれば、電車内での発砲二回目がゴッサムの市民全体にJOKERが顕在化した瞬間であるとも考えられます。
アーサーくんが殺害した証券マンは、ゴッサムでは金持ちの象徴となっていたトーマス・ウェイン氏の会社で働く社員、つまりリッチマンでした。
ゴッサムでは低所得層が多数であるようですので、リッチマンは敵対視されることもあるでしょう。
劇中二回目の電車での発砲は警官が行なっていますが、警官はいわば【権力】です。
トーマス・ウェイン氏は市長選にも出馬していましたので、ほとんどが《権力の立場》にある(トーマス・ウェイン氏自体もリッチマンではあるわけですしね)。
つまり、『庶民と【権力】との対立構造』とでも言えるわけです。
「ファックバビロン」ってなことですね。
そういえば上級国民だとかなんとか、昔言われてました。
カウントダウンのことは後述しますが、左記を考えたらやっぱり対比になっているんじゃないかと思います。
アーサーくんが証券マンを殺害した時は、発砲の後に『9』でしたが、警察官の時は発砲の前に『6』でした。
『6』と『9』は上下を入れ替えたら互い違いになります。
あれ?これってトランプってことですかね?
「ジョーカー」といえばトランプカードでもあります。
上下を入れ替えても同じ?
市民と権力も状況が変われば互いに道化にもなるし、暴力にもなる?
これは面白い発見かもしれません。
面白くないかもしれません。
アーサーくんの妄想?
インターネットでは、この『JOKER』という作品はアーサーくんの妄想が故に虚実入り混じっていると言われています。
「全部が全部アーサーくんの妄想なんじゃね?」と主張されている方もいらっしゃるほどですし。
正直なところ、この意見には懐疑的な姿勢を持っているわたくしです。
しかし、ひと月ほど前に『JOKER』を觀た際に「なるほど。確かにその線はあるのかもしれない」と思いました。
その理由は、アーサーくんがトーマス・ウェイン氏に会いにいった場面です。
ウェイン氏よりバットマン正拳突きを顔面に受け、洗面台の前でうなだれている姿と、自宅でうなだれている姿勢が同じなのですよね。
その場面で「〈アーサーくんの妄想説〉は確かなのかも」と思いました。
し、か、し、腑に落ちないところは多くあります。
わざわざ妄想をしてまで、自分を痛めつけるか?と思うからです。
お話の順番的に『バットマン正拳突き』の後に『アーカム精神病院』ですが、(お話の順番が実は入れ替わったりしていることを考えないとするなら)どうしてアーサーくんは養子であったことを知らない状況なのに「自分は養子だ」と思うことができるのでしょうか。
実際に妄想はあったのだと思います。
同じ階のソフィーさんにエレベーターで話しかけられ嬉しくて、相手を自分の理解者だと思い『妄想したこと』を【本当のこと】だと思い込んでいた描写もされていますしね。
あとは母親のカルテを見てアーサーくんは《真実》を知りますが、それこそトーマス・ウェイン氏がもみ消そうとして弁護士に作らせた書類である可能性は大いにあります。
その当時から邸宅持ちの大金持ちであったようですしね。
権力者であれば、自身の権力を保持するためにズルいこともするでしょう。
つまり、何が言いたいかというと『難しい』ってことです。
この作品が現実で起きたという設定なのか、妄想なのかを見極めることは。
カウントダウン
初回の鑑賞時から思っていたのですが、この作品はカウントダウンをしていますよね。
『9』は、アーサーくんが証券マンの一人を殺害した駅。
『8』は、ソフィーが住んでいる部屋の番号(8B)。
『7』は、アーサーくんが精神病院での階数表示(7階)
『6』は、アーサーくんが警官に追われながら乗った電車の駅舎番号?です。
『5』は、警官が市民を撃った時の車内
『4』は、樂屋のある階数
『3』は、アーサーくんを移すカメラの番号
『2』は、ニュースキャスターの背景にあるチャンネル数?
『1』がない。
『98765432』と、全てアラビア数字で画面上に出ていたので、「何々で1を表現している」というような提示はしないんじゃないかと思うんですよね。
ちなみにアーサーくんの樂屋番号は404でした。
インターネットが絡んでいるとは思えないのですが、『404 not found』とかとかかっているのでしょうか。
「エラー」や「存在しない」という意味ですよね。
もしや?そういった理由から「全てはアーサーくんの妄想説」が立ち上ったのか??
ん?
今最後の場面を觀ていたのですが、右手の柱に『13』と描かれていました。
ユダ?
『13』といえばキリスト教圏では裏切りの数字として認知されています。
最後に裏切りの数字が出ているから「全てアーサーくんの妄想説」が立ち上ったのか????
それとも、トランプで13番目は王様を表します。
アーサーくんはジョーカーからゴッサムの王様と成ったということなのでしょうか。
面白い…。。
なんだか酷評の嵐みたいですが
ここまでお読みいただきました方がいらっしゃいましたなら、ありがとうございます。
なんだか『JOKER : Folie à Deux』はアメリカ本國で酷評に注ぐ酷評、賛否両論の嵐らしいです。
その要らぬ情報を不意に目にしてしまったがために、若干日和氣味となっているわたくしです。が、思い返せば『JOKER』の一作目を公開初日に觀た際に「最高!!!!素晴らしい映画だ!!世界がきらきらしている!」と感じたのと裏腹に、世間(インターネット)では「觀たかったジョーカー像じゃなかった」や「觀た後は重く世界が褪せたように見えた」といった感想が散見しました。
つまり、元から賛否が真っ二つに別れる作品だということです。
最高じゃん。
誰からも好かれるような、そんな作品は薄くてつまんねえんだよ。
『JOKER : Folie à Deux』
お愉しみにしましょう( ¨̮ )
ありがとうございました( ¨̮ )