頭の中の洪水

言葉に頼っているうちなのでまだまだです。

【機動戦士ガンダムSEED FREEDOM】二人の魂は救われたのだろうか【鑑賞後の感想】

 

本日もご訪問ありがとうございます。

 

先日、映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を観てきました。

 

www.gundam-seed.net

 

 

元々は觀るつもりではなかった

ガンダムシリーズは好きなのですが、正直なところSEEDの映画は觀るつもりではありませんでした。

しかし、友人より「ファンサービスの嵐」「二十年待った甲斐があった」「過去に公開されたガンダムの映画の中で一番かも」と話を聴いて興味を持ったので、觀た次第です。

 

『当初この作品を觀るつもりではなかった』と書きましたが、というのもテレビシリーズが二十年前の作品です。

その当時はわたしは少年で、一応全話観たはずですが内容が難しく覺えていなかったので公開日時が発表された時も「劇場版ね…」と、半ば後ろ向きな氣持ちでした。

 

友人より「どの程度の認識具合??」と聞かれたため、上記や『名シーンや印象に残っているシーン(ニコルが殉死する場面やイージスの自爆、イザークの傷)』などを友人に言うと、「わいもそんな感じやったで。でもそれくらいの知識でも娯しめるやで」との返答。

 

「そやったら觀てみるかぁ」と思い、今回鑑賞した次第です。

 

 

鑑賞後の感想

先に書いた通り、割と後ろ向きで作品を觀に行ったわけです。

 

上映開始~中盤までのわし

「なんやこれ、ファンの二次創作か?」

 

上映終了、鑑賞後のわし

「しっかりと《ガンダム》だった…。。過去觀たガンダム作品の中でも一番《ガンダム》かもしれない…」

 

エンドロールの最初で【原案 矢立肇 富野由悠季】と表示されますが、「えっ、、これ本当に富野さんが脚本に参加していていないの…??」と思ったくらいです。

 

 

ガンダムライトユーザー

わたしはガンダム作品が好きですが、全アニメシリーズを觀ているわけではありません。

 

初代(テレビシリーズ全話)

Z(テレビシリーズ全話と劇場版三作)

ZZ(テレビシリーズ全話)

逆襲のシャア

0080 ポケットの中の戦争

0083 STARDUDT MEMORY

F91(たしかこの作品にて言及されていたのですが、「戰爭は勝者も敗者も生まない。生むのは戦災孤児だけだ」というセ台詞に痛く感銘を受けました)

∀ (劇場版のみ)

SEED

SEED DESTINY

OO(一応両シーズン見ましたが忘れました)

UC

THE ORIGIN

NT

ククルス・ドアンの島

閃光のハサウェイ

 

上記がわたいがこれまで觀てきたガンダム作品です。

全作品觀ているわけではないので、ライトユーザーですね。

 

それに足してゲームで作品のお話を補完、という感じです。

 

 

そんなようなライトユーザーに、二十年前のお話うろ覺えなSEEDです。

及び腰にはなっちゃいますよねー、どうしてもね。

 

ですが、そんなライトユーザーでも「あ!あれ!」とわかるような小ネタ、ファンサービスの嵐だったのが、今回の『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』です。

 

 

ガンダムシリーズファン』へのファンサービスの嵐

まず、ファンサービスの一つとして「!」と思ったのが、コンパスの船だったかが入港する際に白鳥が飛んでいたところです。

この場面で「ファーストのあそこじゃん!!」と思いました。「諸君、艦の右手を見てくれ、白鳥が飛んでいる」のところです(細かいニュアンスはうろ覺え)。

 

他にも最終決戦が終わってムウさんにマリューさんが抱きつく場面は、劇場版Z三作目のカミーユとファが抱きつく場面と格好が同じでしたし、分かり易すぎる小ネタとしてはヒゲハロが催眠ガスを噴霧する時にギンガナムが叫んだりとかがありました(「『甘ったれ』は『修正しないと』な」とかもですね)。

 

そういえば、ガンダムSEEDって過去のガンダム作品で主要人物の声を当てた声優さんが勤めている場合が多いみたいですね。

イザーク関智一さんや子安武人さん、三石琴乃さんに関俊彦さんとかもそうですね。

 

 

その他、ファウンデーションの頭であるアウラさんが幼い子どもの容姿をしていたのは、Z~ZZのミネバさんが脳を掠めますし、この『SEED FREEDOM』にて初登場したアグネスさんは『逆襲のシャア』にて登場したクエスさんに酷似していますし、寝返るのはレコアさんも行っております(というよりもガンダム作品では寝返りはお家芸か?)。

 

あと、マリューさんが戰死しなくてよかったな、と思いました。

マリューさんの声を担当されている三石琴乃さんは、ガンダム作品ではないですが『エヴァンゲリオン』でも、同じ艦長という役職の葛城ミサトさんの声を担当されています。

『シン・エヴァンゲリオン』では艦ごと突っ込んで殉死されておりますしね。

同じようにならなくてよかったです。

 

 

そうそう。

最終決戰でフリーダムが使った刀って、アストレイレッドフレームが持っていたガーベラストレートですか?

 

 

あ!!!!!

ミーティアのスラスターが発進準備をするカットと、ルナマリアさんがインパルスで発進する時のカットってテレビシリーズのものですよね???!!

わたしはあれにめちゃくちゃ興奮したので、最高のファンサービスでした!!!!!!!

 

 

優生思想 対 愛

この『機動戦士ガンダムSEED』という作品は、自然分娩で生まれたナチュラルという種族と、遺伝子改変にて生まれたコーディネイター(試験管ベイビー)という種族との対立に端を発して爭いが起こっております。

 

テレビシリーズ二作目の『SEED DESTINY』にて、そのナチュラル・コーディネイター間での爭いは終わったように思えていたのですが、コーディネイターの上位種族の《アコード》が登場して、もう一度革命(『DESTINY計画』)を起こそう!とするのが、この『SEED FREEDOM』のお話です。

 

要は「『SEED DESTINY』にて否定された考え方の正当性をもう一度知らしめたい!と思った残党が巻き起こした戰爭のお話」が『SEED FREEDOM』なのですが、この残党が一揆する構図とかも『逆襲のシャア』からの引用・小ネタか?とも感じます。

 

 

本作にて登場する《アコード》の七人ですが、その内の何人かの人物設定(性格)も過去のSEED二作に登場した強化人間の性格をオマージュしていましたね。

 

 

さて、ファウンデーションが行う『DESTINY計画』ですが、これは要するに、、

遺伝子の情報からその人の得意不得意がわかるよ!

だから誰もが必要とされる理想郷を作れるんだ!

でも遺伝情報で決まっていることだから、自由意志とか遺伝子的に向いていないことをするのは禁止だよ!

自由意志なんて持とうものなら、國家反逆罪になりかねないから気をつけてね♪

ということです。

 

そして、遺伝子改変をされてスーパーパワーを身につけた《アコード》を作り出し、それを引き連れてもう一度『DESTINY計画』っちゅう革命起こすやで!!と奮起するファウンデーションをキラたちが叩くのが今作ですね。

 

 

つまり、この『DESTINY計画』は選民思想や優生思想を根っこにして構築された価値觀ということです。

その価値観に対して「NO、人間は愛だから」と真っ向から相対すのが、テレビシリーズからの主人公たちです。

 

 

SEEDのシリーズを通しての主人公であるキラさんと、ファウンデーションの大将であるオルフェさんが一騎打ちをします。

オルフェさんはアコードであるがゆえ、キラさんの恋人(妻?)であるラクス・クラインと許嫁の関係を元から与えられておりました。

しかし、ラクスさんに自己を拒まれた(ラクス「あーしキラの方が好きやっちゅうねん。なんで何度も言ってんのにわからへんねん。無能やなぁ」)ため、自己が拒まれたことによる嫉妬と、『(ある意味、物として)必要とされたから産まれた』という自分自身の出生・生存理由の否定とでオルフェさんは激昂します。

最終的にオルフェさんは敗れますが、複座席に座っていた、同じくアコードであるイングリットさんからの『物としてではない、その人が必要だから』という愛を知った後に機体は爆発。アコードの二人は死を迎えます。

 

二人の機体が爆発する時、「オルフェさんとイングリットさんの魂は救われたのだろうか」と思いました。

どうか救われていたらいいな、と思います。

 

 

全てのガンダム作品に向けての作品

「結局愛だよ〜」という結末で幕を下ろした『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』

前述した「二人は救われたのかな」という感想を以って考えていましたが、その時に『この終わり方は全てのガンダム作品への想いが篭っているのではないか?』と思いました。

 

ガンダム作品には、戰爭の都合によっていいようにされた人々や戰爭の影響で人生を狂わされた人々が多く登場します。

 

ファーストのララァさんは偶発的なニュータイプなので、そこまで非業だとは感じませんが、ZのフォウさんやZZでのロザミアさん、DESTINYのステラさんなどの強化人間や、生活のためにジオン軍を手伝っていたファーストのミハルさんは戰爭に利用された人だと思います(テレビ版で精神が壊れていたカミーユも被害者の一人ですね)。

 

そんな『戰爭によって翻弄された方々』の鎮魂をしていただけではなく、実社会生活上で『物として必要とされている(ことを氣づいている)人々』さえをも癒しているように感じました。

 

実際、現代の世では《いかに使えるか》や【利用価値】遵守的な時勢に傾いておりますが、もうそろそろ本当にそういった物質的な価値觀では立ちいかなくなっているんだろうな、と思います。

 

キラとラクスが主張していたことは確かに綺麗事にも聞こえますが、綺麗事だと諦めてもがいたり声を上げていかなければ、向こうの都合がいいように利用されるだけでしょうしね。

 

 

そうだ。「ファウンデーション外資的な西洋の価値觀なのだな」と思ったところとして、オルフェさんが機関砲の発射を指揮する時に「Fire!」と言っていたところと、『DESTINY計画』の再提示を行うところでやたらと横文字(だったか?)を使っていたところです。

 

あの演説をしているときは「ねむて〜〜〜〜こと言ってんなぁ。カリスマがないね。ちゃんと "伝えないといけない" のに、『できる人アピール』をしたいかなにかで小難しい言葉を使ったとしても、無能バレバレやで」と思っていました(人のふり見て我がふり直せ)。

そらアスランさんに煽られるわ。

 

まぁでも、そう言った話し方をした方が一般的には騙しやすいってのもあるだろうし、『小難しい言葉で攻めた方が大衆扇動にて効果的だよ』と教えられたという側面もあるかもしれないので、やっぱり氣の毒だな。。とは思います。

どうか泣いていないでね。

 

 

ところで

すーーーーごく今更なのですが、『機動戦士ガンダムSEED』の《SEED》って遺伝子のことですか?

 

このブログでは「脳内に浮かんだ小難しいことを、自分の脳がパンクしないように発散するため」に色々と考えていることを書いているのですが、いつも書いているようなことを考えるようになったのは二十歳を過ぎたころからだったのですね。

なので、リアルタイムで『SEED』や『鋼の錬金術師』を觀ていた頃は、その表現や意味には脳が向かいませんでした。

そのため、この度「は?っ『SEED』って遺伝子のことか?」と思いました。

 

 

『ファンの二次創作と感じた、そのノイズ』について

この記事の冒頭にて、『鑑賞中は「なんやこれ、ファンの二次創作か?」と思っていた』と書きましたが、その理由について最後に書きます。

 

まず「あれ?こんな顔だったっけ?」と思ったこと、『イケメンサービスのシーン』や『ロマンスのシーン』がやたら多かった(と感じた)こと、『キャラクターの体が細すぎる』こと(ちゃんとご飯食べてる?と心配になる)、『そこってそのギャグ要素いる?』と思ったこと、などです。

 

最後の《ギャグ要素》についてだけ言及いたしますが、今作の内容って結構現代にも通ずる問題が根っこになっています。

それをZやUC並みにシリアスに書くと『重すぎる』となって胃もたれというか敬遠されかねないために、作品のバランス的に軽いギャグが散りばめられていたのかな、と感じます。

このギャグ要素、演出には『機動戦士ガンダムZZ』を想起するので、これもオマージュや小ネタのファンサービスなのかな、とも感じます。

 

 

確かにファンの二次創作だとは感じましたが、SEEDのテレビシリーズでファンになった方がサンライズに入ったのかもしれないことを思えば、念願として好意的に受け止めることもできますね。

 

声優さんの面から見ても、過去のガンダム作品に感銘を受け、声優業に足を踏み入れた人が、のちのガンダム作品に出演して《ガンダムの意志》を後世に繋げるという流れも、まさしく今作にて描かれた愛そのものだと感じますし、"種" を継承していると受け取れば終わりが良いのではないかと思います。

 

 

おしまいに

以上が今回『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を初回鑑賞にて感じた感想です。

 

ちなみに、劇中歌の『Meteor-ミーティア-』を聴いた時に「あれ??!これ歌唱再録??」と思い、その確認に必死だったので、エンドロールでラクスさんが話している内容を聞き忘れています。

歌唱は再録でもなかったです( ¨̮ )

 

ということでYouTubeにてテレビシリーズ全話の総集編を觀て「あー懐かしい!」「あっ、そうだったんだ!?」「あーニコル…。。」などなど復習したので、二回目行ってきまーす( ¨̮ )

 

 

ありがとうございました( ¨̮ )

少しでもいろんなことで癒される人が多くいればいいな、それによって他の方が傷つくなんてこともなければいいな、と切に思います。

 

 

 

追伸  おい!!!!!

イザークの出番少なすぎるだろうがよ!!!!!!!!!

もっと銀髪おかっぱを登場させてよ!!!!!!!!!!!!