頭の中の洪水

言葉に頼っているうちなのでまだまだです。

【最ッッッッッ】『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』を観ました【高ッッッッッッ!!!!】

 

本日もご訪問ありがとうございます。

 

観てきました!

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』です!

www.spider-verse.jp

 

 

感想は一言だけ

前作の『スパイダーマン:スパイダーバース』はストリーミングサービスで観た際に、あまりに最高だったので「あぁ〜〜〜〜!!!!!劇場で観たかった!!!!!!」と強く思っており、このたび新作続編が公開されるってなことだったので観ました。

 

 

感想。

一言。

 

 

最ッッッッッッッッッッッッ高ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

MAJIでこの一言に尽きます。

確実に今年ベスト級ですし、すでに二回目のチケットを取りました。人生最高。

 

 

以下感想~ネタバレもありますよ~

 

 

 

グウェンパートの感想

今作はグウェンがスパイダーウーマンとして生活する世界線から始まります。

グウェンはドラムを嗜むパンク少女ですが、スティックの持ち方はレギュラーグリップなんですね。

 

マイルスのいる世界線では『割とリアルめなCG表現』でしたが、このグウェンがいる世界は水彩画的な表現が用いられていたのが印象的でした。

 

悪役となって暴れた友人のピーターを、ピーターと知らないグウェンが殺してしまい、それを警察署署長であるグウェン自身のお父さんが勘違いしたことで、父娘の溝が生まれてしまうわけですが、『父と娘で背景の色が違う』という表現は、各々の氣持ちや感情にズレがあることをうまく表していたと感じます。

警察官である父は『警察官としての使命に燃える熱さ』として赤っぽい色、それに対しグウェンは『冷静に理由を聴いてほしいという氣持ち』から青色。

しかも、双方の氣持ちが入れちがってしまうシーンでは、背景の色が『絵の具が垂れる』ような動きをしていたのも、よかった。

最終的に父娘が和解をいたしますが、その時の背景が全面白基調になっていたのもグッときましたし、よかった。泣きそうにもなりました。

 

 

また、『アメコミを映像化した』という性質上?+『多次元から行き来する』という作品の特性上、ルネサンス期からきたヴァルチャーが〈羊皮紙の容姿〉をしていたのは、MAJIでアガりました。

『水彩画のような背景』に、『羊皮紙に鉛筆の線』というクラクラしてしまいそうな異化効果が新鮮であり、麻藥的であり、最高にイカしていたと感じます。

 

 

マイルスの世界線~スポットの登場~

マイルスの生活する世界線へ物語は移り、本作のヴィランとなるスポットが登場いたしますが、最初はコミカルな役として登場したのに、マイルスのスパイダーマンと対峙した途端に怨念の塊となるのは怖いですね。

しかも、その正体が「あ!あの人!」となるのも意外でした。

 

スポットは境遇を考えるとヴィラン化してしまうのもさもありなんと思いますね。

前作のヴィランは、なんというか個人的に『個人のエゴに囚われたつまらん小男』って感じがしたため(ヴィランとなった理由は、同情はする)、スポットくらい圧倒的なヴィランは、怖れがありながらも危険な魅力すら感じます。

 

『ジョーカー』のアーサーくんもそうだったけど、やっぱり『他人から嗤われた』という経験は、心に重く黒く消えない一滴を落とすものなのでしょうか。

 

あと、このスポットというヴィランヴィランとしての容姿が完璧じゃないかと感じます。
シンプルが故に不氣味だし、『白い体に黒い虫食い』という歪さ?それがスポットの《ヴィランとしての出自》を表していますし、完全体となった時の『絵としての表現』も怖い&異様、あと、スポットの世界として描かれる〈モノクロを基調として、線だけを書き込んでリアルさを追求する表現技法〉も、スポットらしいというかそんな感じを受け取りました。
この表現は、どこか『Neverending Nightmare』を想起いたしました。
あと、スポットが完全体となる前の準備段階でいろんな世界線に飛びますが、流石に『レゴの世界線』は意外すぎて最高でした。Gunfinger.
 
他にも『実写の世界線』にもスポットは飛びますが、もはや「なんでもありじゃん!」と笑ってしまいました。もう最高。
しかし、そんな『実写の世界線』すらも「実はめちゃくちゃ精巧に作ったCGなんじゃない???」と思ってしまうほどの映像表現、映像体験でした。
 
 
マイルスの世界線~グウェンと再会~
お父さんとの一件で「寄る辺ないもの」となったグウェンは、スパイダーマンたちが集まる自警団的な組織に所属し、スポットの追跡を行います。
その際にマイルスと再会をするのですが、お互い再会ができて嬉しがるようにじゃれ合ってブルックリンの街を飛び回るのは、とても良いシーンだと思います。
 
二人が塔の出っ張りの下で座るシーンも、『この二人は世界とは隔絶された場所にいるのだ』ということの示唆と、『そんな隔絶された世界でも二人は同じ氣持ちを共有している』という言葉のない説明が、巧いなぁ、と感じました。
 
 
実は大ヘマをしていたグウェン。
スポットが現在いる『アース 50101』という場所に、火消しのために向かいますが、"多次元に続くポータルを前にしたグウェンが、マイルスの生活するブルックリンの街を振り返るシーン" と、"『スパイダーマン』シリーズの有名シーンをオマージュしていたシーン" はよかった。
寂しいのとやるせないのとという感情がありました。
 
 
 
50101~ハービー・ブラウンが最高~
スポットを追って、『アース 50101』に飛んだマイルスとグウェン。
その町はまったくインディアな町で、その世界線スパイダーマンであるパヴィトル・プラパカールという男性がまったくナイスガイでした。
他にも、この世界線の街の元ネタとなった〈インドという國の歴史的な背景〉と、それに対しての批評。
この『アース 50101』で大暴れするスポットの暴走を止めるべく、『Sex Pistols』リスペクトのスパイダーマン、ハービー・ブラウンが助っ人として登場しての、その人と成りの説明もとても良かったし、ハービー・ブラウンのパンキッシュな批判精神にも、ちゃんと《スパイダーマン》的なジョークというかウィットに富んだ言い回しをしていたのも素晴らしかった。
 
しかも今氣付きましたが、パヴィトル・プラパカールがいる世界と、ハービー・ブラウンのいた世界の、元ネタとなった國の歴史がリンクしているのも、メッセージ性を持たせていますね、凄いですね。
 
 
スポットが大暴れした結果で崩壊する街を、集まった四人のスパイダーマンが協力して
救う場面がありますが、『高所から四人同時に飛ぶカット』って、多分あれ【スパイダーマンといえば姿勢】を各々がしてますよね。
あ!見たことある!的なポーズだったと思います。
 
 
ハービー・ブラウンが首尾一貫していて、本当にかっこよかったです。
本氣でファンになりました。
 
 
 
大人と子どもの対立構造を感じました
いろんな世界のスパイダーマンが集まる集団にマイルスが呼ばれ、《カノン事象》と呼ばれていることの説明と、マイルスが行った罪の話なります。
この話は、例えるなら『タイムトラベルで過去に行ったとしても、未来を変えるようなことをしてはいけない』みたいな話でした。
 
この場面で、なんというか「理想を語る少年と現実を見ている大人」的な構図みたいだな、と感じました。
スパイダーマンの集団を取り仕切るミゲル・オハラの『最善と最良と理想を尽くした結果の絶望』という諦観?も、選択肢の一つとしては真っ当なものなので、仕方ないよね…。。とは思います。
しかし、ミゲル・オハラのスパイダーマンスーツが髑髏モチーフなのは氣になるところ。
 
 
さて、そろそろ疲れてきたし本当にネタバレになりかねないので、ここら辺でこの感想はお開きと致しますが、『マイルスがスパイダーマンになったきっかけと秘密』と、『そのきっかけで引き起こされたこと』には、流石に想像だにしなかったので目を見張って湧く湧くました。
普通思いつかんて。
 
 
第二作目の前編的立ち位置の『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は起承転転転転転…みたいな感じなので、後編的な立ち位置の『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』は、どうやってここまで広げに広げた大風呂敷を畳むのかが愉しみです。
 
ちなみに、なぜかわたしは言ったことができずに終わるのですが、この『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は、必ず、ブルーレイを買います。
 
 
 
最後に。
ターンテーブルに乗ったレコードが回る様』の後に、『レコードと同じ向きへサンドバッグが回る様』が続けざまに流れたのは、最高にクールだと感じました。
 
ありがとうございました( ¨̮ )