頭の中の洪水

言葉に頼っているうちなのでまだまだです。

 

本日も閲覧ありがとうございます。

 

昨日ツイッターでこんなコラ画像リツイートで回ってきました。

 

 

わたしはラルクが好きです。

 

しかし本筋はそこではなく、吾峠さんの描く線についてです。

 

 

 

線とその人

floodinhead.hatenablog.com

 

こちらにも書きましたが、わたしは鬼滅の刃をアニメから知りました。

ちゃんと作品に触れたのは、劇場版特典の漫画です。

 

わたしも昔から絵を描くのは好きでしたが、今年に入ってからより本腰を入れて描くようになりました。

 

 

こういったものを描いています。

 

より真面目に絵に向き合ってからなのですが、描く線に描き手その人の心情や性格などのパーソナルな部分がわかるようになったんですよね。

 

『ブルーピリオド』の山口つばささんには「しなやかさ」と、「自分の中に潜るための線

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https://afternoon.kodansha.co.jp/c/blueperiod.html

 

『とんがり帽子のアトリエ』の白浜鴎さんには「強さ」や「自信」、鴎さんは「自分の内を組み上げるための線

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https://morning.kodansha.co.jp/c/tongariboushi

 

あくまで主観ですよ。

どちらもおもしろいし素晴らしい作品です。

『とんがり帽子のアトリエ』は本当に読んでほしい。印刷物の単行本からでさえも"強さ"を感じます。原画を実際に見てみたい。実物のパワーを感じたい。

 

線のパーソナリティに氣付いたのも、鴎さんの絵を見てからです。

もちろん去年まではそんなことわかりもしませんでした。

 

 

そんで吾峠さんの線の話ですが、劇場版の特典漫画を読んで色々と符合しました。

吾峠さんの絵(線)には「繊細さ」と「憂い」 がすごく含まれていると感じたからです。

 

特典冊子の最初の扉絵は「すこし俯いた煉獄さんの左半身」なんですが、その俯いている角度や線の置き方、緻密さ、中心の主人公を引き立てる描き方(構図や画のサイズ割り)をしているけど、主人公が背景から浮いているように見えない。描かれた絵一枚で、絵が上手いというのを感じさせる

しかし、それが決して目立っておらず、絵が上手いのを鼻にかけた描き方もしていない。

ずっと見ていられる絵を描いていっしゃったので、上映までの10分で読み終わるのが大変でした 。

 

そういった「繊細さ」を強く感じたので『鬼滅の刃』のような作品を描いたのも納得しました。炭治郎が敵の鬼にも憂いと思いやりを持っていたのも、漫画を実際に読んで、絵を見て、納得をいたしました。

それと同時に、作者自身も描いていて相当に辛かったんだろうな、とも思いました。

鬼滅が完結して、田舎へ帰るのかもという噂もあるそうですが、あれだけ心を絞る作品を作ったのだから、疲れるのも当然だろうと思います。どうかしっかりとお休みくださいね。

 

 

大いなる母としての器。憂い。

柱合会議のコラ画像の話に戻ります。

 

このツイートを見ながら「やっぱり繊細だなぁ」と思っていたんですが、全員が『おでこの広い子どもの顔』 として描かれているということに氣付きました。

煉獄さんが特に顕著なんですが、みんな少女や少年ではなく子ども、幼児の顔として描かれている。しのぶさんも「お姉さんの顔」ではなく、「幼い女の子の顔」として描かれている。

 

つまり作者である吾峠さんは自分の子どもとして、お母さんの視点としてキャラクター

を描いたんじゃないかと思いました。 

 

 

こちらの動画でも同じことを話されています。

nico.ms

あと、同じ動画の20:03~でも言及されていますが、登場人物みんながPTSD(心的外傷後ストレス障害)になっているのではないか。

それを抱えたまま大人になった、アダルトチルドレンばかりの現代社会へ憂いの目線を吾峠さんが持っており、『鬼滅』の作品自体がそんな社会全体への癒しになっている。セラピー効果としての鬼滅の刃ではないのかと思います。

 

 

youtu.be

 

この動画でされている「少年漫画を読んでいる人は弱い人で、強くなりたいから少年漫画を読む」という分析にもあるように、『ジャンプを「いい大人」になってまで毎週買っている人』というネタが銀魂にて揶揄されていましたし、実際に毎週買っている人と遭遇したこともあります。

 

その「現実」も、重軽問わず心に影を背負い、PTSDになったまま成長をしてアダルトチルドレンとなったから、生まれたのではないでしょうか。

アダルトチルドレン毒親問題については西洋思想的な「所有」の思想が起因していると感じます。所有はよくない。足るを知ろう。

 

そういった病的な社会が肥大し、もう限界!!!となってきた頃に『鬼滅の刃』が登場したので社会現象になるほどのヒットをしたのだと思います。

 

癒しとしての『鬼滅の刃』が読者のセラピーになって、作者の吾峠さんは読者の「大いなる母」になっている。

 

女性性ですねー。

 

 

あと、炭治郎と善逸と伊之助を見ていると、あの3人に対して非常に「我が子」っぽい氣持ちになる。

炭治郎は長男できょうだい想いのいい子。赤ちゃん(禰豆子)のお守りもしてくれる。

善逸は引っ込み思案だけど、いざという時には頼りになる芯の強い子。

伊之助はなんでもやりたがりの勝気な末っ子タイプ。

 

柱の皆さんも含め、読んでいてすごく「我が子」を感じる、『母性』をくすぐる作りをされているので、女性人氣が高い作品だというのも納得します。

 

 

あと、最初はなにも感じませんでしたが、煉獄さんの『杏寿郎』というのは、「先代からの教えを享受し(受け取り)その教えを自分より下の世代に教え伝えていく(教授)存在」としての『杏寿郎』という名前なのかなと、ふっと思いました。もしそうなら初登場時からとんでもないネタバレをかまされていたんですね。

それを考えた上で描いていたのならば、そりゃあ売れるよねって思います。

 

 

深読みがすぎると思われるかもしれませんが、深読みを多岐に渡って行える作品ほど素晴らしい作品だと、わたしは思います。

 

 

ありがとうございました( ¨̮ )