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いくらか前に、こんなことを思いました。
「記録媒体が豊かになると人は記憶行動をやめるよな〜」
そんなことをふと思った後日、『スマホ脳』という書籍を読んでいる時に、ある実験結果が引用されておりました。
ある事実を、耳で聴いて一字一字をパソコンに打ち込んでもらう。
一部の人は『打ち込んだ情報は残る』と言われ、もう一部の人は『打ち込んだ情報は消去される』と、言われた。
その実験の後、「さきほどの実験で聞いたことで、覺えている限りのことを話してくれ」と言ったところ、『打ち込んだ情報は記録される』と聞かされた人よりも『打ち込んだ情報は消去される』と聞かされた人の方が、多くのことを覺えていた(そらそう)。
「まぁ、そらそうやろね」と思うばかりです。
『記録として残るものを、どうしてわざわざ記憶しないといけないの』という理論です。
確かにそれもそうではある。
容易な改竄
これは《グーグル効果》や《デジタル健忘》とも呼ばれている心理作用と近いようで、『情報の内容よりも"その情報がどこにあるのか"を記憶する』ということなのだそう。
たしかに、それも一理ある。わたしもそう思います。
ですが、ここで以前にわたしが書いた記事を引用いたしますが、記録というものはいくらでも改竄が可能です。
特にインターネット上にある情報は、です。
なので「自身の記憶よりも記録の方が正確だよね」という意識は、持ってもよいとは思う(ある程度では持つべきでもある)のですが、記録に頼りっきりになるのは良くない、はっきりといえば『非常に危険である』と思うのです。
『いつか見たあの情報』を見直そうと記録されているデータ(サイト)にアクセスしても、前回見た時とは内容が変わっているかも知れない。
下手をすると、昨日今日で内容が変わっているかも知れません。
そんな〈自分の記憶よりも記録の方が正確だ〉と思っている方は、情報の内容が変わっていることに氣付けるでしょうか。
違和感程度はあるかも知れませんが、おそらく八割近い人は違和感すら覺えないのだろう、と思います。
以前ふとしたタイミングで『電子文書を紙に印刷するのは法律でダメになる』みたいな内容のテレビCMを見たのですが、「あぁ、これはデジタルな改竄を容易に行うためなのだろうな、紙に印刷されると〈情報の改竄をした〉という証拠が残ってしまうから」と思いました。
巧妙だとは思いますが、ばればれだなぁと思います。しかし、これは深読みしすぎだと思って話半分に読み流してください。
『インターネット上にあるものは、改竄など容易であるから、さっさと実物を買え』という内容も、以前の記事にて書きました。
記録ももちろん大事ですが、同じくらい、またはそれ以上に記憶が大事だと思いますよ。
まぁ、といってもヒトの記憶自体もそんなに正確なものではないので、似たり寄ったり、同じ穴の狢、どんぐりの背比べなのかもしれませんけどね。
違うのは『自分が無意識で改竄するか・他者が意識して故意で改竄するか』ということでしょうか。
となると、やっぱり『〈アナログな物質として残した情報〉こそが変わらない』ということになりますね。
『スマホ脳』に対しての所感
ちなみに、『スマホ脳』の中で書かれていたことは、わたしには「いや、まぁそりゃあそうでしょ」というようなものばかりでした。
新しさがないというか、『少し考えればわかる』程度のことだったよな、と感じます。
ですが、「いいねの通知は、リアルタイムではなく実は少し寝かせている」ということはとても驚きました。
悪どいばかりだな、と思いますが、SNS企業も所詮は資本主義の中のもの。
そりゃあ自身のサービスを利用してもらうためには、利用する対象をそういった中毒状態・依存状態にさせた方が手っ取り早いし樂だろうから、仕方ないよな、とも思います。
結局のところ、のべつ幕無し、時間が空いたらすぐに携帯電話を操作する、時間がなくても時間を作ってまで携帯電話にあやしてもらう、という精神でいなければいいだけの話ですし。
でも、この意識って字の通り『意識』が大事だから、精神力や意識力・意志力があまりない方には容易ではないのかもしれないよなぁ、とは思います。
しかし、それは、その精神力を選んだのはその人なので、わたしは口出ししません。
ご自由に生きて( ¨̮ )
『スマホ脳』は、脳のメカニズムや祖先たちがどういう生活をしていたか、だからこそ現代人がこのような生活を送っているのか、が解説されていたので、そのメカニズムを知れたのは良かったし興味深かったです。
あと、精神科医の方だからか(関係ないかも?)単純接触効果も多用されていたので、さすがだな、とも思いました( ¨̮ )
自分の身と精神はご自身で衛り、どうかご健康に生きてください( ¨̮ )
ありがとうございました( ¨̮ )